今どき青刈り?

私の担当している牛やさんで、今でも青刈り給与を行っているうちが数件ある。
皆30〜40頭の搾乳をしている平均的な規模の酪農家だ。

左上の写真が刈り取った青草をトラクターで運ぶワゴン。
左下が給与風景。
右が名前はよくわからないが、草を刈り取る機械だと思う。
当地では自給飼料としてはコーンサイレージが一般的で、
牧草はイタリアンのラップサイレージをやっているところが、
一部の地区である程度。
青刈りをやっている農家さんに言わせると、全国的にも珍しく
青刈り用の機械がでるのはここの地区だけだと機械屋さんも言ってるそうだ。
なぜやっているのかあらためて聞いたこともないのだが、
えさ代の節約以外、昔からずっとやっているからという理由が返ってきそうな気がする。

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思い起こせば乳脂肪の基準が3.5%になってから、
青草をやるところはほとんどなくなった。
背中にしょったかごに鎌で刈った野草を入れ、
4、5頭飼っている牛に食べさせていた農家がかつてはいっぱいいた。
私が獣医になりたての頃、房州では乳量トップの牛やさんでも、
「冬はコーンサイレージと飼料カブの組み合わせが最高に乳が出る」
と言って、せっせとかせていた記憶がある。

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青草を給与した牛から搾った牛乳には、
CLAという抗ガン作用のあるリノール酸が多く含まれるという話だが、
そんなものを売り物に出来ないものだろうか?
牛にやるえさは購入飼料のみ、という酪農家の方がたぶん多いのだが、
放牧にも共通する「草で牛を飼っている」という実感がそこにはあるのではないか?