耳が切れた!

個体識別耳標
私のお仕事、今日はいったい何があった?
皆さんは、今日本にいるすべての牛の耳に耳標なるものが付いていることをご存知だろうか?BSE(いわゆる狂牛病)が日本で発生してから、トレーサビリティのため10桁の番号がすべての牛に割り振られている。同じ番号の牛は2頭は存在しないのである。個体識別耳標センターのHPで、この10桁の番号を検索すれば、たちどころに生年月日から現在までの異動歴がわかってしまう。ちょっと前までは考えられなかったことができるようになっている。
さて、この耳標なるもの、牛が生まれたらすぐに農家の方が装着するのだが、たまにこの装着作業を頼まれることがある。専用の機械で2枚の耳標の間に牛の耳翼を挟み込み、ガチャッとオスメスのピンで耳に穴を空けるような形で装着する。ピアスみたいなもんですね。
今日この耳標の装着を行ったのだが、耳を挟んだ瞬間牛が動いてしまい、あっと思ったときには牛の耳が上下に分かれ見事に切れていたのである。ショック!不慣れな農家の方が装着を行うとこのような事態に至ることがあるのだが、それを獣医がやっちまった!
だが、これも認知療法認知療法。これですべてが終わったわけではない。牛には申し訳ないが、傷が治ったらもう1回付けてあげよう。でも、真ん中から真横に切れた耳の上の耳に付けようか?それとも下の耳に付けようか??????
DoBlog-裕ちゃんのラジコン放牧地で牛の子宮脱のことが書かれていた。これは牛との戦いの中でも最難関の部類に入る。この間も前の日にお産で呼ばれて、ちょっとひっぱっただけで子牛はすぐ生まれたのだが、親牛が次の朝、子宮脱。結局だめになった。お産直後、疲れていたせいか立たなかったのだが、その時他にも何か処置をしておけばこのような事態に至らなかったのでは、とつい、くよくよと考えてしまう。こんな時は無力感にさいなまれてしまうが、また明日、明日!