子牛蘇生!豆作先生やりました!

雪の降り続く寒い日。こんな日に日直に当たっちまった。

2件目の往診先で昨日の再診、産後のケトーシスの注射が終わりかけたとき、
畜主「先生、今日はこっちの牛の方が重症なんだ」
何でも昨日から立てない。しかもこれからお産の牛。
「昨日陰部からおりものが出ていたんで、お産が始まったかと思ってたんだけど」
見ると血の混じった粘液と親の下痢便が混ざり合って、
牛床から尿溝へと流れ落ちている。こ、これってヤバイんじゃない!?

恐る恐る手を陰部から突っ込んでみると、
すぐそこに2本の後ろ足が触れ、まずホッと。
捻れたり曲がったりはしていない。
立てない牛でこれだと先行きかなり厳しいからね。
あとは気腫胎になってなければいいんだが・・・・・。
多少子牛が横を向いているので、
産科チェーンをかけた両足を捻りながら、畜主と引っ張る。
一日たっているせいか、しっぽが出たところでなかなか進まず。
その時、あれ?しっぽがちょっと動いたような。これは畜主も確認。

とにかく子牛が出たところで胸に手を当ててみると、かすかな鼓動がある。
もちろん目は死んでいるし、呼吸もしていない。
手を当てず胸を見ただけなら、心臓が動いているなんてわからなかっただろう。
もし豆作さんのブログ(http://mamesaku.livedoor.biz/archives/50387951.html
を読んでいなければ、
今まで通り、昨日からのお産だし羊水は乾き始めているし、
子牛は死んでいて当然。さっきのは動いたように見えたのだろう、
で終わっていたはず。
でも今日は、「生きてる!」

あとは豆作先生のされた処置とそっくり同じ手順でやってみた。
羊水をある程度吐かせたところで、前足の上下運動を始めたが、
目も死んだまま。でもしばらく続けると一瞬まぶたが動いたような・・・・・。
え〜っほんと?急に呼吸が始まったわけではないのだが、
ちょっと鼻が動いて、えっえって感じで、気が付くと自発呼吸が始まって。
正直びっくりしました。なんというタイミング!

ここのところ、やはり初産の難産があったり、
F1♀を分娩して産後腰抜けで治療した牛が、
翌日もう1匹F1♂(あちゃ〜)を死産していたりと、
どうもうまくいかないことが続いていたので、
悩んだかいがあったかな?

生まれたのはホルの♀。でも、まだ羊水が残っているのか、
四つ投げ出してへこへこ腹式呼吸、帰る時にも頭をかすかに上げる程度。
ものになるかは分かりません。
でも今日も新たな感動が。現場復帰してほんとよかった。